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子供たちが守り受け継ぐ伝統行事

新年明けて12日の土曜日、南砺市利賀村の上村地区で、恒例の「初午行事」が行われましたので紹介します。
 

この行事は、毎年1月の上旬に子どもたちが雪を踏み分けながら集落内の家々を訪ね回り、その家の大黒柱の前で神主役の子どもが最初に祝詞をあげ、続いて幕をかぶった2人の子どもが演じる午(うま)が歌と太鼓に合わせて踊るものです。最後に俵転がしという役の子どもが、俵を重そうに転がしたあと、その家に「火の用心、福之神」と書いた紙を投げ置いていき、家ではこれを台所に1年貼っておく。家内安全、五穀豊穣を祈願する行事なのです。
 

利賀村内でも、昔は3地区で行っていたのですが、少子化の影響から今ではこの1地区だけとなってしまいました。ですので、他の地区である私としては、子どもの時に経験した事のない未知の行事なのです!

1800年頃から始まったと言われていますが、昔から小学生の男の子たちだけで地区毎にひっそりと行っていました。昭和50年代には子どもの数が少なくなり、この行事に女の子も参加するようになりました。

この子どもたちだけで行っているという独自な活動が認められ、昭和57年に文化庁より国選択無形民俗文化財に、平成16年には富山県から無形民俗文化財の指定を受けています。


今年の担い手となった9人の子どものうち、地元である上村地区の子どもは2人で、あとは地区外から7人のこどもたちの応援を受けながら、約220年続くとされる伝統行事を守っています!

この日も大勢のマスコミやアマチュアカメラマンを後ろに引き連れながら、集落の民家20軒と事業所3軒を回り、各家々では
「乗り込んだ、乗り込んだ、お午が乗り込んだ~」
の元気なお囃子に合わせ、藁で編んだ午をリズムよく動かしていました。一通り終わると家人から御祝儀袋とお菓子をいただき、満足そうに次の家に向かいました。


最盛期には1000人以上もいた村民も今では半分に減り、それに合わせて少子化が著しい利賀村ですが、この全国的にも珍しい子どもたちだけで伝承してきた「初午行事」を是非とも守っていってほしいものです。

 

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次の家に向かいます

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その家の大黒柱の前で祝詞を奏上

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乗り込んだ、乗り込んだ、お午が乗り込んだ~

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いかにも重そうに俵転がしの所作をします

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雪の中、集落を回る子どもたち

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笑顔のこどもたち。寒い中、本当にお疲れさまでした。